バス

【※過激な描写あり】


615: 一回は一回です。。 2018/01/13(土) 21:04:23.51 ID:+fffmH0s0.net
20年以上前、大学2年生の冬。

六本木の喫茶店で変なセールスを受けた帰り、疲労こんぱいでバスを待ってたら、若い女が走ってきて時刻表を見るなり

「間に合わないじゃない!」

と叫び、タクシーに手を挙げながら車道に飛び出ていった。



そしたら走ってきた単車が接触し、転倒して女性を下敷きにしたまま数十m先へ流れていった。

運転手も腹からガードレールの支柱に突っ込んで、"くの字"に倒れてた。

バス停で並んでた人達はそれを見て

「バカだなあ」

と口々に話し、女性が乗ろうとしたタクシーの運転手も、現場を一瞥したあと無言で公衆電話へ歩いて行った。

疲れていて一瞬判断が付かなかったのだが、よく見たら2人とも全く動かないし、路面にはおびただしい量の血と、その女が持っていたカバン?の中身が散らばっていた。

我に返って駆け寄ったら、単車の運転手は体が変な方向に曲がっていたし、単車はエンジンがかかりっぱなしで、女性の太ももに当たった部分から煙が上がっていた。

大きな単車は1人で起こせず、エンジンを切って助けを求めようと後ろを振り返ったら、ちょうどバスが発車していくところだった。

10人以上いたのにバス停にはもう誰もいなかった。

自分の前で雑誌を読んでいた男が車内からこっちを見ていたが、目が合うとすぐにそらされた。

結局警察と救急が来て現場を片付けていったが、直後に目撃者として警察に聴取を受けたときも

「お前が突き飛ばしたんじゃないのか?」

「調べたら分かるんだからな」

などと暴言を吐かれた。

翌早朝に家に帰されたが、結局警察から何も連絡はなかった。

まだ芋の心だった自分にとっては、全てが残酷だった。

花を持ってその場所に行ったら、家族とおぼしき手紙が添えられた花束が1つ置かれているだけだった。

あの単車や女はどこへ行くつもりだったんだろうとか、家族や友人はどう思っただろうとか、バスの乗客は何を考えていたんだろうとか、未だにそこを通ったり、六本木の名を聞いたりするたびに思う。