11/12/19
俺の実家は、とある新興宗教をやっていた。それなりに有名な宗教団体。

世襲制で、父親で6代目、信者もそれなりの人数がいた。家族構成は、祖父、祖母、父親、俺の4人。

母親は小学校高学年の時に出て行った。

祖母いわく

「嫌になったんよ、色々と」

だと。

悲しかったのは確かだけど、幼少期の家族の思い出は父親と母親の喧嘩、祖母にイジメられて泣いてる母親くらいしかないので、まぁしょうがないなって感じだった。

話は中学生の時なんだけど、うちには俗に言う、寺院、教会みたいな施設がある。30畳くらいあって、ご本尊、賽銭箱が置いてある。

たまにだけど、その賽銭箱から小銭を拝借してたりしてた。残念ながらか、幸いか、俺は全く信仰心はなかった。

ある日、賽銭ドロしようと思って懐中電灯片手に夜中施設にいってみた。小銭ちょろっとくすねて、部屋に戻ろうと思ったんだけどなんとなく、ご本尊って何があんだろ?って妙な好奇心が沸いてきた。

そろそろと結界をまたぎ、ご本尊に近寄った。形状は仏壇のデカイ版みたいなのの中に、小さな社(やしろ)がある。音がしないように、ゆっくりとその社の扉を開けてみた。

中身はあんま細かく書くと団体特定されると思うので伏せる。

大したモン入ってないなーなんて思ってたら、奥のほうにきんちゃく袋発見。あんまり長居したくなかったし、なんとなくそれをもって自室に帰った。



小銭を財布にしまいつつ、きんちゃくの封を解いてみた。

中身を見てゾッとした。なにやら黒いのがビッシリと。恐る恐る手を入れて触れてみると正体がわかった。

『毛』

気持ち悪さと、なんで毛?って言う不思議からくる好奇心。ノートを破って床に引いて全部出してみた。

よく見ると毛にまじって指輪がひとつ入ってた。なんの装飾もない指輪、多分結婚指輪。それを見たとたん、なぜか妙な確信のある妄想が沸いてきた。

『母親』

それからは、口にするのもおぞましい妄想が溢れて吐きそうだった。頭がおかしくなる前に、急いでその毛と指輪をしまい本尊に戻しにいった。

しばらくして、たまたま父親と二人きりになる機会があって、勇気を出して聞いてみた。

「もしかして結婚指輪とかまだ持ってんの?」

「なんでや?」

「いやなんとなく、な」

「なんでや?」

「いやゴメン」

自分から切り出しといてだけど、怖くなって自室に逃げた。父親の目が変だったから。

その後、妄想に取り付かれた俺は、家にいることすら怖くなり地元から遠く離れた高校を受験、寮生活を選び、家族親族、信者さんの反対を押し切り、そのまま就職した。

父親は去年の年末死んだ。家業は叔父が継いだ。今後俺は実家に戻ることはないと思う。


187:本当にあった怖い名無し 2011/12/19(月)12:51:44.53ID:RzLKFDI90
実話?


189:本当にあった怖い名無し 2011/12/19(月)13:06:51.64ID:pslRNVgh0
>>187
実話。

改めて自分で読んでみたら話としては別段怖くないね。特殊な環境に育った頭のおかしい子の話だなこりゃ。

でも不思議とスッキリしたw
長文失礼しました。