09/07/22
おそらく呪いとかそういうたぐいのものになるのか?イマイチ記憶が定かではないんだが…思い出しつつ書いてみようと思う。

うちのばあさんは、元看護婦で、戦前病院に勤めていたらしい。

当時は今と比べて、死人の数が半端なく、死んだ人からナースコールとか窓の外の人魂とかよく聞く病院の心霊現象が本当に日常茶飯事だったそうな。

そんなわけだから、ばあさんは幽霊はいるものだと、よく子供の頃の私にそういうたぐいの話をしてくれた。

これはそんな中でも、1番悲しい話として、聞いたものだ。



ばあさんが新米看護婦だった頃、同期に、もうすぐ同じ病院の院長の息子と結婚する予定の、とても綺麗な看護婦のAさんがいたそうな。

ところが、その医者に思いを寄せていたのが、婦長。

その婦長とAさんがとある患者さんの処置にあたった時、婦長は、Aさんへの指示を間違えて、今でいう医療ミスを犯して、患者さんを死なせてしまった。

ところが婦長は、自分はそんな指示をしていないの一点張り。

Aさんは懸命に自分の無実を訴えたが、ベテランの婦長とAさんとでは、当然婦長の言い分ばかりが通り、Aさんの主張は結局聞き入れられず、Aさんはその場で発作的にオキシドール?か何かの原液を服用して、自殺してしまった……止める間もなかったそうだ。

美しかったAさんは見る影もないほど、喉が真っ赤に焼けただれ、無残な死に様だった。

ばあさんたち同期は、悲しみにくれながらも、それ以上は成すすべなく、身寄りのなかったAさんを、仲間うちだけでひっそりととむらった。

何年かして、婦長と、Aさんの恋人だった院長の息子が結婚し、婦長はこの病院で出産した。

ところが、生まれた子供は……ぱっくりと、喉まで口が裂けていた。口咳裂という病気……ようするにうさぎ口だったようだ。

ばあさんたち看護婦はそれを見て、あっと思ったらしい。その様子はまるで、劇薬を飲み、喉が焼けただれて亡くなったAさんそっくりだったという……。

結局、その子供がどうなったのかまではわからない……ばあさんが話したがらなかったからだ。

作り話かと思われる方も少なくないだろうが、この話をする時、いつもばあさんは、涙を流していた……。

その涙は到底作り話で孫を困らせるための嘘泣きには見えなかった。


163:本当にあった怖い名無し ID:Pdhcud8/7A
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