14/11/11
人殺しにつきあわされた話。フェイク多数。多分時効だと思う。
俺が学校卒業して、就職してちょっとたったくらいのはなし。地元の零細企業。まぁ、なんだかんだでいろいろあった。
人間関係はよかったと思う。大人にもいろんなタイプの人がいるなぁと思って、すごく勉強になって楽しかった。あの事件が起こるまでは。
きっかけは飲み会。そこでAさんがブチギレる事件があった。酔ったBさんが、つい年上のAさんの仕事にダメ出しをした。
まぁ酔った席の話だし、Aさんも笑ってすませればそれでよかったんだろうが、そうはならなかった。
Aさんはもともとヤ〇ザの世界にいたそうだが、スジを通すより優しさを優先するあまり、組長から「お前はこの世界には向かない、カタギになれ」と言われた人。
そんな彼にとって、スジは通さない、優しさもないBさんの言質を許せなかったみたいだ。Aさんの怒りはその日だけでは収まらず、Bさんを追い詰めていった。
Aさんいわく、Bさんは仕事の上で不正を働いていた。その不正はBさんのみならず、C、D、E…とたくさんの同僚をもまきこんでの上で。
Aさんはその不正の証拠をつかんでいた。そしてそれを公開する、と興奮してまくしたてていた。
俺は、幸か不幸かその不正には絡んでいなかったが、公開されると億単位の賠償責任が発生するのはあきらかだった。
俺はその企業に恩もへったくれもなかったが、それをすると、そこの不正に関係しなかった人たちも路頭に迷うと思い、Aさんを説得した。
今でも、それが正しいかどうかはわからない。その不正は、どこの誰にも損を与えないものだったからだ。(バレなければという前提、ここは詳しく言えない)
…今思うと、俺もいやしい。結局は自分の利益で説得をしていたのかもしれない。結局、Aさんは落ち着きを取り戻し、その日は帰っていった。
だが次の日の夜、事件は起こった。
Bさんから電話があり
「Aさんと和解できそうだ。中立の立場として立ち会ってくれ」
と。
俺は時間外であったが、これも仕事と思い、和解ならと喜んで付き合うと同意した。
車で迎えに来たDさんと向かった先は、なぜか近場ではあるが人がこない山林だった。異様な雰囲気、そして多くを語らないDさんがすごく不気味だった。
山林の中のひらけた場所を落ち葉を踏みながら、すすんでいくとそこにはAさんと彼を取り囲む、B、C、Eさんと見たことない人が数人いた。
Aさんは、落ち葉の上に正座をして、嗚咽をあげながら泣いていた。ヒィヒィと声をあげて。
B、C、Eさんは
「遺書を書け」
とせまっていた。
Aさんは
「書けません」
と泣きながら言っていた。
そこからは、もう記憶がほとんどない。場面も飛び飛びで鮮明に語れない。
ぼんやりとした記憶からは、Aさんは自殺をせまられていたこと。Aさんは家族を恫喝のネタにされていたこと。決して和解の席なんかじゃなかったこと。
気がつくと俺は自分の家の前で車を降ろされていた。フラフラと眠りについた。
次の日同僚から、Aさんが山林で自殺したと告げられた。俺の昨夜の行動なんて言えやしない。自分の心にフタをして、沈痛な面持ちで通夜に参列した。
Aさん奥様の
「お手数をかけてすみませんでした…」
の言葉が俺の胸に今も刺さる。
今でも俺が戸惑うのは、B、C、D、Eさんが決して、悪人ではなかったという点だ。普通にいい人で、よき家庭のパパなのが恐ろしくてしょうがない…。
こんな話はツレにも誰に言えない。
現在俺は、地元の田舎から引っ越して都心で仕事をしているが、しょーもないイビリをやる上司を見るたびに、
(相手がどんなパイプもってんのかも知れないのに…こいつ、命がおしくねーのかな?)
って思う。
163 :名無し ID:125cDR/q
死ぬ程洒落にならない話を集めてみない?
コメント
コメント一覧 (5)
Bさんじゃなくて?よくわからん。
もう一回ゆっくりちゃーんと読んでごらん
Aさんにもあるよね?
その子も、都合が悪いものや人はコロしたり壊せばいいと思うように育つのかな。
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