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11/12/20
大学時代の話だから、ざっと10年くらい前の話。

夏休みが終わって、後期の授業が始まった辺り、学食で数人でダベっていたら友人のAが

「夏休みに、バイト先でちょっと恐い経験をしたんだけど」

なんて言い出した。

彼のバイトは、大学の考古学専攻主催の遺跡発掘だったそうな。俺は、ちょっと遺跡とかに、興味があったから、すかさず

「遺跡ってどこ?」

と聞いてみた。

すると、Aは

「ん?ああ、銀座だよ」

って、さも当たり前の様に答える。

そして

「遺跡っていうと、縄文時代とかイメージするだろ?けど、そういうのはごく一部。実際は江戸時代のものとかが多いんだ。それも東京ど真ん中に」

なんて言う。

江戸時代でも遺跡なのか…と妙に感心していたら、Aはやっと本題を切り出してきた。



「それが、銀座にある江戸時代の墓場の発掘だったんだけど、昔は木の桶みたいのに死体を入れたりするだろ?そういうのが何個も出てきたんだけど、俺が見つけた桶の残骸の中に、ぽつんと黒いかたまりが入ってたんだ」

「黒いかたまり?」

俺は聞き返す。

「自分じゃ判断出来ないから、現場監督みたいな人を呼んで、『これなんスか?』って聞いてみたんだよ。で、何だったと思う?」

話をいきなり振られても答えられない。

「いや、全然わからん」

すると、Aはニヤっと笑って

「実はな、そのかたまり、人間の脳みそがミイラみたいになったヤツだったんだよ」

「うへー、気味悪いな!」

「だろ?けど一番怖かったのは、脳みそじゃないんだな」

「と、いうと?」

「いやな、その日の作業終了時に俺を呼んで、さっきの脳みそのミイラを持って来させたわけよ」

「ふむ」

「で、普通のごみ袋にその脳みそを入れるように指示したのよ」

「なに?ごみ袋に入れて持ち帰ったの?」

「ハズレ。そのまま『これ、ごみ集積所に捨ててこい』だって」

「え?普通ごみ!?」

「ああ、干からびてるけど脳みそだぜ?しかも発掘品。それを普通ごみにして捨てるんだよ」

「まじかよ…」

「俺は発掘品の脳みそのミイラを、普通のごみ集積所に出しちゃう、その慣習や神経が一番怖かったな」

それから、友人はごみ集積所を見ると、

「もしかしたら、近くで遺跡の発掘があって、ミイラがなに食わぬ顔で捨てられているかも…」

なんて考えてしまって、気味悪かったそうだ。

その話を聞いて以来、俺も街を歩いて、高く積まれたごみを見ると、ちょっと気味悪く感じるようになったんだ。


792:本当にあった怖い名無し 2011/12/20(火)09:20:33.41ID:Z6RmPka00
日本じゃないけど、どこかの国ではミイラはよく乾燥しているので着火材として盗掘されていたって聞いたことがあるよ。着火材と普通ごみ、どっちが良いのやら…

元は両方とも人間なんだけどさ。もうちょっと大事にしてもらいたいものだねw


ほんのりと怖い話スレ その80