包丁女

453:
一回は一回です。。 2010/12/30(木) 09:28:37
語ってみる。嘘みたいな話だがほぼ実話だ。あとグロ注意。 

うちは現在結婚6年目、俺32でヨメ30。独身の頃住んでいた1DKのアパートの隣同士だった。 
ただお互い独身で、日中は仕事だし出退勤の時間が合わないしでまったく面識なかった。 

たしか5月下旬の土曜の夜11時ぐらい。

ビデオ見ながらウトウトしてたら、隣から女の言い争う大声と、ドスーン!バリーン!ってすごい音がして部屋が揺れた。さらに悲鳴。 



こりゃただごとじゃないと思ってすぐ外出て隣の部屋のドアをノック。 

「すいません隣の者ですけど大丈夫ですかー?」

と声をかけたら、叫び声に混じって 

「助けてーっ!」

という悲鳴がする。

でもドアに鍵がかかってて入れない。

パニクりつつ、ベランダづたいに隣の部屋に行こうと思いつく。暗いんでマグライトのでっかい懐中電灯持って、一度ベランダの外に出て隣のベランダへ。 

部屋は2階だったが無我夢中だった。ベランダのサッシを開けてカーテンめくったら、大きいタンスや家具が倒れてて、蛍光灯がブラーンってなっててもう部屋中むちゃくちゃ。 

その真ん中で中年の女が若い女に馬乗りになってバシバシ殴ってる。

若い女の顔は血で真っ赤。

中年女は俺に気づいてすごい顔で睨んでくる。目が逝っちゃってた。 

なんかもう、あまりのことに呆然としながら

「な、なにしてるんですか」

と聞く。 

婆「あんた何よ!関係ないでしょ!」 

嫁「助けて!助けてください!(半泣き)」 

俺「とにかく乱暴は良くないですからやめてください」

と中年女に近づくと、そいつが立ち上がって何かを俺に突き出してきた。

なんと包丁だ。
 
俺「危ないだろ!」 

婆「あんた関係ないでしょ!あたしがこの女を(あと意味不明)!」

さらに包丁を振り回してくる。 

怖かったんで、こっちも懐中電灯をふるって中年女の腕を殴りつけ、包丁を落としたところで突き飛ばして押さえ込んだ。暴れるんで嫁のバッグのベルトで腕を縛り上げ、警察を呼んだ。
 
嫁は血だらけで泣きじゃくっている。なんとかなだめようとしているところに警察到着。事情を説明し、とにかく警察へということで嫁と俺と手錠をかけられた中年女はパトカーで警察へ。
 
俺は汚ねえジャージ姿だったから恥ずかしかった。


454: 一回は一回です。。 2010/12/30(木) 09:30:01
あとから嫁や警察に聞いたことを総合すると、中年女は嫁の勤め先の人の奥さんだった。 

ちょっと精神を病んでいて、嫁が自分の旦那と浮気していると思い込み、どうやってか嫁の自宅を調べ、こらしめようと乗り込んできたんだそうだ(速攻で強制入院になった)。 

持参したバッグからも包丁何本かとカナヅチが見つかったと聞き、俺が殺されてたかもと本気でビビった。 

嫁はそのまま入院。次の土曜日に、両親と一緒に挨拶に来た。顔も腕も包帯だらけで痛々しかった。
 
部屋は引き払い、別の勤め先を探すということだった。本人に非はないんだから、心から同情した。 

2ヶ月ぐらい過ぎた頃、俺の会社のあるビルのロビーで

「俺さんですよね?」

と女の人に声をかけられる。 

「?(誰この美人)」

「嫁です!あの時は本当にありがとうございました」

なんと嫁だった。 

嫁の新しい勤め先の会社が俺の勤め先と同じビルにあった。
 
嫁の顔や腕のケガはきれいに治っていたけど、後遺症で片耳の聴力がかなり落ちていた。
 
そのうち時々昼飯に行くようになり、好みや趣味が合うことを発見。付き合いたいなあと思うようになる。 

ただ、嫁に交際を申し込む前に、俺の顔見るとあの事件を思い出して不安になったりしないのか聞いた。 

殺されていてもおかしくないひどい経験だったんだから、嫁が思い出して辛い気持ちになるなら付き合ってほしいとか言わずにフェードアウトしようと思っていた。
 
嫁は

「あのときのことは1日に何回も思い出して凄く怖くなるけど、それは私が乗り越えなきゃいけない」
 
「俺さんが一緒なら安心だし」

と言ってくれた。 

それを聞いて嫁に交際を申し込み、付き合い始め、翌年の春に結婚した。 

でも嫁はあのアパートには結婚するまで一度も近づかなかった。新居への引越しも俺1人でやった。 

結婚後は夫婦円満、子供ふたり(3歳娘と1歳息子)にも恵まれて文句なし。 

あの頭のおかしいおばちゃんが嫁と結婚するきっかけだったと思うとちょっと複雑な気分にもなるけど、あのとき自分が部屋にいて、手遅れになる前に嫁の部屋に助けに入れて、本当によかったと思う。 


455: 一回は一回です。。 2010/12/30(木) 10:52:23
その中年女とか、その旦那はどうしてるんだろうな?責任は取ったのだろうか?


456: 一回は一回です。。 2010/12/30(木) 11:42:37
> 嫁が自分の旦那と浮気していると思い込み 

これ裏取れてるのか?


462: 一回は一回です。。 2010/12/30(木) 19:13:34
>>455 
>>456 
お礼参りとかないか不安だったんで、何日かして事情聴取されたお巡りさんにどうなったか聞いてみたら、かみさんの方は逮捕されてすぐ入院になったみたい。 
たぶん、統合失調症?の妄想とかそういうことなんだろう。 

旦那の方には警察で土下座された。憔悴しきった様子で何回も申し訳ありませんって謝ってくれて、こっちが同情した。 
ものすごく誠実な人だと感じたし、こんな定年間際のくたびれたおっちゃんが嫁と不倫とかねえだろ、というのが俺の結論。 
嫁の元同僚や友人にも、嫁が不倫なんてありえない、事実無根だと太鼓判押された。 

旦那は別に嫁の上司でもなく、嫁はほとんど話したこともなかったらしい。 
その人が自宅に置いてた社内サークルの名簿に嫁の住所氏名が載っていて、かみさんはそれを見たんだと。
今考えれば個人情報だけど、小さな会社だったからね。 

当日、嫁はかみさんに会社名を出されたもんで部屋にあげてしまったらしい。


458: 一回は一回です。。 2010/12/30(木) 13:04:17
統合失調症だべ。精神を病んでいて強制入院ならほぼ糖質。 
旦那の合意があったら医療保護入院って奴だ。 
妄想による被害妄想から自分の精神を守るために他人を攻撃するのは良くあるよ。 
ハタ迷惑以外の何者でもないが。 

以前、北九州かどこかで猟銃でスイミングスクールに突撃してた奴いるだろ?
アレも糖質だ。大阪かどこかで見知らぬ女児を包丁で刺したのも糖質。 

何故>>453の嫁が狙われたか理論的に説明できないよ。 
あえて説明するなら妄想だった、としか言えない。 
運が悪かったのだろうな。


462: 一回は一回です。。 2010/12/30(木) 19:13:34
>>458さんの言うとおり、なんで嫁がロックオンされたかは謎だ。 

旦那は結局会社を辞めた。嫁の治療費も引越代もすべて旦那が負担した。 
若い女性に障害を負わせたのだからきちんと慰謝料を払わせて欲しい、という申し出は、同情した嫁が断った。 

そのかみさんも病気のせいでああいうことをしてしまったわけで、なんつうか悪い人はいないのにみんな不幸になっちゃってやりきれないと思ったな。 


464: 一回は一回です。。 2010/12/30(木) 19:59:30
>>462 
乙 
旦那さん可哀相だな。
でもかみさんが病気になった原因ってのが何処かにあるはずだから、一概に旦那さんも被害者とは言えないが。


466: 一回は一回です。。 2010/12/30(木) 20:21:25
>>464 
糖質の原因は不明。誰でもなる可能性があるぞ。 
俺にも、もちろんお前にも。 


465: 一回は一回です。。 2010/12/30(木) 20:03:51
>>462 
乙乙乙 

とにかく、なんの罪もねえ嫁が今は幸せでよかった 
お幸せに


467: 一回は一回です。。 2010/12/30(木) 22:19:11
>ただ、嫁に交際を申し込む前に、俺の顔見るとあの事件を思い出して不安になったりしないのか聞いた。 
>殺されていてもおかしくないひどい経験だったんだから、嫁が思い出して辛い気持ちになるなら付き合ってほしいとか言わずにフェードアウトしようと思っていた。 

このくだりでヌレタ


引用元:http://engawa.2ch.net/test/read.cgi/tomorrow/1278338809/