宇宙飛行士

17/01/30
身バレするとマズいので5割は俺の創作、ということにしておく。
創作なので辻褄が合わない所もたくさんあるがスルーして欲しい。 

当時、俺は幼稚園生ぐらいの年齢で今で言ういわゆるネグレクトというやつだった。
両親共にパチンコ狂いで、俺と妹(当時まだ乳飲み子)は、両親が
パチンコをしている間は家か車かパチンコ店かで適当に過ごしていた。 
幸い暴力の虐待などはなく、本当に子どもに興味がない、という感じだったんだと思う。
 
両親に遊んでもらった記憶はなく、おもちゃなども家に全くなかったので、
広告の裏に鉛筆でひたすら絵を書いて遊んでいた。 
生きていく最低限のことはやってもらっていて、お風呂も時々だけど入れたし、
食べ物も両親の気が向いた時や、近所からの頂き物?の
お菓子か何かがあるときはそれごとくれることもあった。 
パチンコで勝ったときは両親の機嫌も良くて、本当に時々だけどファミレスに
連れて行ってもらったこともある。(これが子どもながらに一番嬉しかったw) 

妹はまだ産まれたばかりでミルクももらっていたけど、
両親がいない時は俺がミルクをあげたりもしていた。 
初めは泣いていてもどうするべきか分からずそのままにしていたが、
母親と同じようにすれば泣き止むのかなと考えて、
台所にあるミルクの缶で見よう見まねでミルクを作ってあげた。 
今思うと量って入れたわけではなかったので分量とかめちゃくちゃで
飲ませて良かったのかわからないけど、当時は妹もゴクゴク飲んでたので安心した記憶がある。 
あとオムツも替えてあげたがウンチの時はどうしたらいいか分からず放置していた。
(帰ってきてから母親が替えていた)
 

そんなある日、俺と妹は両親に連れられてパチンコ店に行き、
2人がパチンコをしている間、俺は買ったオニギリを持たされ
入り口のベンチ?みたいなところで食べながら待っていた。
(妹は母親におんぶ紐で背負われていた)

すると、よく見るおじさんが声を掛けてきた。おじさんはパチンコ店に
来ているわけではなく、その隣にあったスーパーに来ていて
いつもパチンコ店の前を通っていた。 

いつも

「何か食べたか?」

とか

「喉乾いてないか?」

とか聞いてきて時々食べ物とか飲み物をくれたりするので
俺はそのおじさんが好きだったw 

その日もいつも通り

「何か飲むか?」

と聞かれたのでペットボトルのお茶をもらった。 

お茶を飲みながら話をしていると、おじさんが急に真面目な顔になり、

「おじさんの家に来るか?」

と聞いてきた。 

母親に

「知らない人に着いて行くな」

と言われていたし、行っちゃダメだと分かっていたけど

「家に来れば美味しいオムライス作ってやるぞ」

と言われて、

「まぁパチンコが終わるまでにまた戻って来ればいいか」

と思い、ついて行くことにした。 



おじさんの家に着くと、優しそうなおばさんがいて

「よく来たね」

と言って頭を撫でてきた。

おばさんはオムライスを作ってくれて、そのオムライスがめちゃくちゃ美味くて
貪るように完食した俺を見て2人は少し泣いていた。
 
その後色々と質問をされて、最後に

「うちの子にならないか?」

と聞かれた。

「裕福な暮らしはできないかもしれないけど、休みの日に
みんなで公園に行ったり、遊園地や動物園に行ったり、
誕生日には大きなケーキを買おう」

みたいなことを言われ、当時そんなことを経験したこともなく、
家族でそんなことをするのはテレビの世界のことだと思っていた俺は
イマイチ実感は沸かなかったが、ポロっと

「明日もオムライスたべれる?」

と聞いてしまった。
 
今思うと馬鹿だなぁと思うけどその時は妹とか親のことよりも何よりも
オムライスをまた食べたいという気持ちが勝ってしまい、

「明日も明後日も作ってあげる」

と言うおばさんの顔を見ながら

「じゃあなろうかな」

と言ってしまった。 

その後のことはあまり覚えていないが、俺は名前を変え、引越しをし、
おじさんとおばさんのことをお父さんお母さんと呼ぶようになった。 
新しい名前には中々馴染めなかったが、子どもながらに勝手に知らない人に
ついて行ってしまったことや、妹を置いてきてしまった罪悪感もあり
絶対に本当の名前を知られてはいけない、と必死に紙に書いて覚え、
間違えたりしないよう努力した。

新しい両親は本当の息子のように育ててくれた。幼稚園にも学校にも行けたし、
毎日美味しいご飯も食べられたし、仕事から帰ってきた父は
毎日俺をお風呂に入れてくれた。 
休みの日にはお弁当を持ってピクニックをしたりもした。 
もちろん駄目なことをした時には思い切り叱られたし、
小学生高学年になった頃にはもう前の家族のことなんて
ほとんど思い出さないぐらいだった。 

二度目の引っ越しの時(父の転勤)、押入れの中に、
母と知らない小さな男の子が写っている写真を見つけたことがあった。 
誰だろうとは思ったが、聞いてはいけないことのような気がして
そのままあった場所に戻しておいた。 

その後中学、高校を出て大学にも行かせてもらい、無事就職した。
大学にも行かせてくれた両親には本当に感謝している。 
就職先で縁あって今は嫁も娘もいるが、生い立ちは話していない。
嫁は父と母を本当の両親だと思っている。 

両親のしたことが正しいとは少しも思っていないし、俺のために
動いたであろう警察の方や地域の方、また本当の両親と妹には
本当に申し訳ないと思っている。 

今幸せだからこそ、あの時ついていかなければどうなっていただろうと
思うこともあるし、妹はどんな人生を送っているのだろうと思うこともあるが、
今は大事な嫁と娘、そして両親との幸せを大事にしたい、と思う。 

父と母の犯した罪は許されることではないが、一生一緒にその罪を
背負っていかなければと思っているし、このまま墓場まで持って行こうと思う。 

以上です。俺の話を聞いてくれて有難う。


974 :おさかなくわえた名無しさん@\(^o^)/ 2017/01/30(月) 14:01:55.38 ID:vFcxeu7k.net
凄まじいな。


980 :おさかなくわえた名無しさん@\(^o^)/ 2017/01/30(月) 14:37:17.57 ID:6Lp2ftdsa.net
>>972 
亡くした息子の代わりとはいえ 
きっちり育ててくれたのか 
よかったなぁ…


981 :おさかなくわえた名無しさん@\(^o^)/ 2017/01/30(月) 14:50:06.25 ID:nbhSe/96+g.net
誘拐ではないんだよね? 
きちんとした手続きを踏んで今のご両親の息子になったんだと信じたい 
八日目の蝉を思い出してしまった


982 :おさかなくわえた名無しさん@\(^o^)/ 2017/01/30(月) 15:26:41.68 ID:Rdfchkol.net
>>981 
私はMotherの方を思い浮かべてしまった


987 :おさかなくわえた名無しさん@\(^o^)/ 2017/01/30(月) 17:25:52.60 ID:cvghki4K.net
養子縁組とか正式な話じゃ無くて... 

子供が亡くなる 
 ↓ 
同じ年頃の男の子発見 
 ↓ 
誘拐して亡くなった子供の代わりに育てる 

ってことでしょ 
そう考えないと色々と辻褄が合わない


989 :おさかなくわえた名無しさん@\(^o^)/ 2017/01/30(月) 17:37:25.81 ID:nhDefj8/.net
>>987 
それは考えたけどパチンコ屋の店先でしょっちゅう接触してたら
事件後防犯カメラ確認で一発アウト 
スーパーの常連なら付近の住人だろうからすぐ面が割れるし


991 :おさかなくわえた名無しさん@\(^o^)/ 2017/01/30(月) 18:14:41.96 ID:cvghki4K.net
>>989
30年ほど前の話だったらカメラが無い店もあったんじゃないかなぁ 

普通に養子として育てられたなら、 
「父と母の犯した罪は許されることではない」とか 
「一生一緒にその罪を背負っていかなければ」とか書かないでしょ。


983 :おさかなくわえた名無しさん@\(^o^)/ 2017/01/30(月) 15:30:09.01 ID:Qkop5Jhxz.net
パチンコ屋でさらわれた女の子も、こんなふうに生きててくれるといいな、と思った。 
そうはいかなかったと思うけど…
 

『横山ゆかりちゃん誘拐事件』

1996年7月7日午前、横山ゆかりちゃん(当時4歳)は両親とともに群馬県太田市高林東町にあるパチンコ店「パチトピア」に来店。
午後2時10分に、横山ゆかりちゃんがいなくなっているのに気づいた両親が警察に通報し事件が発覚した。

横山ゆかりちゃんは失踪直前、一人で遊んでいるところを不審な男らしき人物に話しかけられている姿を防犯カメラがとらえていた。太田警察署は誘拐事件と断定し、横山ゆかりちゃん捜査本部を立ち上げ100人態勢で捜査にあたった。

横山ゆかりちゃんがいなくなる直前、パチンコをうつ母親の光子さんのところに来て「○○○のおじちゃんがいるよ」(○○○は聞き取れなかったそうだ)と話しかけてきたという。それに対し光子さんは「ついてっちゃだめよ」と注意を呼びかけ、再びパチンコに熱中する。

しばらくすると、座っているはずの椅子に横山ゆかりちゃんがいないことに気づき、パチンコ店の周囲を探しまわったが、いなくなっていたので警察に通報。光子さんが横山ゆかりちゃんから目を離した時間はたった4分だった。

必死の捜索も未だに未解決な事件。


今までにあった修羅場を語れ 32話目