不気味なクリスマス

08/03/24
10年前のクリスマスの夜の話。
 
真夜中に高速道路を彼女を乗せてドライブしてると、 
遠くに人影らしいものが見えた。
 
「高速道路を人が渡っているのか?」

とりあえず速度は落として近づくと、やはり人だった。

なんと、この寒い中を若い女性が一糸まとわぬ姿で立っていた。
 
車が近づくのに避けようともしない。 

あわてて急ブレーキをかけると、車は女の前で止まった。

女は

「クソ!」

というような素振りをし、そして車に近づき、 
両手でボンネットを激しくたたきながら、物凄い形相で我々を睨みつけてきた。
 
女の目は狂人のものだった。



「どけ、このキチガイが!!!」

クラクションを思いっきり鳴らし続けると 
女はあきらめたらしく我々のそばから立ち去った。

横にのっていた彼女は、現実にありえない光景をみたという表情で呆然としていた。 

今考えると、あの女は自分の死に場所を求めて彷徨っていたのだろうかとも思う。

しかし、なぜ、冬の真夜中に裸でいたのか。