15/09/03
軽い昔話で埋めます。
田舎の実家が農家で、中庭に鶏舎があって、家で使う卵を採っていた。
ある日、鶏舎から鶏のバタバタいう羽音と、コケーッ、キーッという悲鳴が聞こえてきた。
なんだなんだと行ってみると、大きなアオダイショウ(蛇)が鶏の一羽に巻きついている。
他の鶏が逃げ惑って大騒ぎしていたのだった。
父や祖父が鍬や鎌を持ってきて、蛇を引きはがそうとしたが、
蛇の巻きつく力ってすごいね、●をつぶして●しても、まだぎっちり締めてて
ほどくのが大変だった。2mくらいあったと思う。
巻きつかれた鶏も●んでたから、庭の隅に埋めた。
蛇は憎らしいので、肥やしにでもなれ(本当になるかはともかく)と、畑に埋めた。
話は変わって。
向かいの家に、大刀自(おおとじ)と呼ばれているおばあさんがいた。
大刀自は99歳で、100歳の誕生日が目前だった。
誕生日の当日は、家族や親戚や近所の人も集まって、盛大なパーティをする予定だった。
町役場からもお祝いが来て、地元テレビ局も
「ご長寿バンザイ」みたいな番組の取材に来ることになっていた。
だが、誕生日の前日、大刀自は大往生。
町役場とテレビ局は急きょキャンセル、お祝いに集まった人々は
お葬式の準備を始めることに。
うちの母も手伝いに行ったのだが、そこで向かいの家の奥さんに聞いた話。
向かいの家には、もう長いこと住み着いているアオダイショウがいて、
大刀自が
「家の守り神、福の神だからいじめないように」
と言うのでそっとしておいた。
しかしここ3日ほど、姿が見えない。
「何か悪いことがないといいけど」
と言っていたらお葬式になってしまった。やっぱり前兆だった、と。
母にはピンときたが、適当に相槌を打って、帰ってきた。
母から話を聞いて、うちの家族も全員顔を見合わせた。
蛇がうちの鶏舎を襲ったのは3日前のこと。
家族会議で黙っていることに決まった。
大刀自のお葬式にはうちも参列して、ご冥福をお祈りしてきた。
997 :名無しさん@おーぷん 2015/09/03(木)00:33:30 ID:AcG
守り神様も出張なんぞしないでくれれば
長生きされてだろうに……
大刀自様は寿命でしょうて
それも大往生
お葬式自体は100(数え)になったろうしね
998 :名無しさん@おーぷん 2015/09/03(木)01:09:01 ID:bGt
アオダイショウ、なぜそのタイミングだったんだ…
今までにあった修羅場を語れ【その12】
コメント
コメント一覧 (44)
だから向かいにあった主の家にお世話になろうともぐりこみに来たのはよかったのだが
まさか自分が死ぬようなことに成るとは思ってなかったんだろう・・・・
向かいの家の守り神のことを知っていて殺したんだったら問題だよな。
おばあちゃんにご冥福を。
大刀自の大往生のときがきたので
アオダイショウもお役目から解き放たれて
最後にやりたい放題して普通のアオダイショウとして死んだんだろう
と適当なことを言っておく
いっちょ鶏一羽を丸のみして精を付けようと思ったのかな…。
しかし神様なら敷地の概念は分かって欲しかった。
昔なら大蛇は守り神とかたたるとかを皆が信じてたから、
鶏を食ったくらいで〇されるなんて考えつかなかったんだろうけど、
時代は変わってしまってるんだよ…。
2mのアオダイショウでも、鶏丸飲みは無理なんじゃないの?
蛇はたまに、飲みきれないサイズの獲物を飲もうとして、Cぬ事がある。
せめて貰っていくわーくらいいえよ、と
オオトジの死期を悟り、せめて旅路くらいは連れ立ってやろうと
事情知らぬお向かいの鶏舎でモメゴトを起こしてヘビとしての命を祓う。
ニワトリは気の毒だけどイケニエだね。
報告者一家にも今後幸多いことだろう。
でも、鶏を飼っているお家にとっては、よその家の守り神より自分の家の鶏の方が大切だものなぁ。
自分家の鶏だって大事だもの。
ひもじい思いをさせたまま放っておいて「最近姿が見えないから心配だ」もないもんだ。
命の火の弱った大刀自様に精をつけてもらおうとしたんだよ。
水のない側溝を這ってたり、向かいの畑のネズミをたべてたりするのを見た。
たぶん家のネズミも食べてくれていたんだろう、家にはネズミが出なかった。
それ以外は、白ヘビがいるからといって特に良いことも悪いこともなかった。
曾祖父ちゃんが104歳で大往生したのを機に、市街地に家を建てて引っ越した。
白いアオダイショウは今でも、あの田舎の古い家にいるのかも知れない。
どこに丸呑みとか書いてるんだよw
「刀自」ってのは一家の主婦のことだったかと。
同じ意味に「家刀自」なんて言い方もある。
別に神事がらみのおうちじゃなくても
ちょっと立派な旧家の大奥さんなんかは「大刀自様」なんて呼ばれたりする。
食べなれたカエルとかネズミじゃないと食わないとかあたりまえ
小鳥とか卵食うやつはいるけどね、、、
その設定好きだわ。
確か家のお墓にそう掘ってあった
刀自命だったかな?
そこまで大げさなもんでもない
名家のマダム(老)くらいの感覚
襲われた家畜を守ろうとしただけ。当然の流れ。
このおばあさんの家がどんなものかは分からないが、昔の家は梁がむき出しでネズミを追ってその上を這ったりしてたらしい。
たまにボトッと落ちてきたりしたそうな。
侵入された養鶏家さんにとっては害獣でしかないからなー
卵ならまだしも何故に母体に手を出した蛇さんよ・・・
そんなにお大事なら、毎日餅やら饅頭やら唐揚げくんやらお上げしとくもんだろ
いらんご近所トラブル招かないためにもお口チャックは必要だけど
自分ちの家畜襲われたんだし仕方ない。
土地神ならヤバイけど
お向かいの「家」の守り神なら、出ていかないようちゃんとお守りするのも家の事情
悪いことはしてないよ
いい歳した大人が揃いも揃ってみっともない。
白蛇ならともかく気にするこたぁない
まあ、言いふらすことでもないからおくちチャックはいいことだね
ニワトリは白いし、プレゼントとしてはぴったりだ。滋養もつくしね。
私は死後の人と畜生とは分けて考えない派だから、向こうで再会できていることを願うよ。
田舎なら飢えることなんかまずないで。
カエルもノネズミもおるでな。
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