05/03/18
大学で実際にあった洒落にならない話。
俺の通っている大学は山のてっぺんにある。町から相当隔離された場所にあり、最寄のコンビニですらジグザグの山道を通って車で片道10分は掛かってしまう。
そんな環境であるため、サークル活動や研究室などの特殊な用事でもない限り、遅くまで大学に居残る学生はほとんどいない。
しかし、10棟程度に分かれている大学校舎の中の一つに『音楽棟』という建物があり、そこでは夜遅くまで学生(大半は音楽関係の学科生かサークルの人間)がヴァイオリンやピアノ等の楽器を練習している。
音楽棟には50以上の個室の全てにピアノが一台ずつ入っているのだが、学生はそれぞれ自分なりにお気に入りの個室があるようで、例えば練習室の24番には〇〇専攻のA子がいるから、23番の練習室をお気に入りに使っているアホな輩(やから)もいるといった具合だ。
その日の夜、俺は音楽棟で楽器の練習をしていた。時刻は9時半頃だった。
終バスが10時なので、そのくらいの時間になると学生の数はかなり減っている。山中であるため、終バスに乗り遅れると下山は困難を極めるのだ。
俺もそろそろ帰るかと思ったその時、やや離れた場所から『ドカッ!!』と何かがぶつかるような音がした。
誰かが楽器でも落としたのだろうかと思ったが、あまり気にせず個室を出ようとするとまたもや『ドカンッ!!』という音がした。
さてはアレだなと思った。音楽棟はだいぶ老朽化しているため、壊れているドアがいくつかある。
ある程度ちゃんとした校舎をもつ学校に通う学生には信じ難いかもしれないが、この大学では運が悪いと、自力で個室の中から出られなくなることもしばしば起こるのだ。
部屋の中からドアを開けようとしている音に違いない・・・。前にも閉じ込められた友人を救出した経験があったからこそ、確信があった。
すぐさま音のした個室の方へ行って、個室にある窓から中を覗いてみると案の定、ドアを何とか開けようとしている学生らしき姿があった。
「今開けますよ」
と一声掛けてから、ドアノブをやや強引にひねって開けた。
「ありがとうございます、出ようとしたらドアが開かなくなっちゃって・・・」
初めて見る顔だった。
音楽棟に夜遅くまで残って練習している人間は大体把握できているつもりだったが、目の前にいるのは全く知らない女の子だった。
他大生だろうか・・・?原則として学外の人間は個室を使ってはいけない事になっているが、まぁいいかと思い、
「練習お疲れ様です」
と言った。その時。本当に、本当に一瞬の事だった。その女の子の表情が歪み、恐ろしい顔つきになったのだ。そして、嘘だったように一瞬で元の表情に戻った。
「ここ、私のお気に入りの部屋なんです」
「え、そうなんですか」
俺はしゃべりながら変な違和感と緊張を感じていた。何かこの女、おかしい。今の顔は何だったんだ?いや、それ以前にもっとおかしな事がある。
「ずっと使っていたんですけど、いきなり開かなくなったからびっくりして・・・」
んな事聞いてない。お気に入り?誰の・・・?
「ほんとうにありがとうございました」
そう言ってその女はスタスタと歩いていってしまった。俺は結局、何も聞けなかった。この個室の番号は31。俺のよく知る先輩がいつも練習している部屋だった。
いつも夜遅くまで練習している努力家で、熱心な先輩。その先輩がいなくて、知らない女がいた。
俺はどうしても気になって、すぐに携帯電話で先輩に聞いてみることにした。意外にもすぐに繋がった。
どうやら今までずっと学外で過ごしていたとの事だった。授業は1コマから入っていたそうだが、どうも気が進まなくて・・・と、あいまいな返事だった。
そこで練習室の女のことを言ってみた。先輩はしばらく絶句していたが、重い口調で話してくれた。
「誰にも言うなよ・・・昨日、脅迫を受けたんだ」
話によると、昨日の夜、アパートで一人暮らしの先輩が家に帰宅すると、郵便受けに大量の紙が詰まっていた。
何十枚もの紙の全てに『学校に来るな』と一言、印刷されていた。気味が悪くなって学校には行かず、一日中、町に下りて過ごしていたそうだ。
警察に届けようと思ったが、思いとどまっていたらしい。
「その女って、誰なんですか?心当たりなどは・・・?」
「いや、あるわけない。ないけど、お前の話を聞いて余計に怖くなった。とりあえず、何とかしようと思う」
その会話を最後に、俺は今に至るまで先輩と会っていない。アパートは空っぽ、実家への連絡すら1年以上もない状態らしい。
完全に失踪してしまった。もちろん、あの女ともあれ以来、会っていない。
189:名無し ID:NxzuA/+Pd
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コメント
コメント一覧 (15)
ただ単に、先輩が女装趣味だった、あるいは性転換した、あるいはそもそも性別が女性で大学では男装していただけの話じゃん。
そしてそのことを、大学の知り合いにはひた隠ししていた。
女が怖い顔したのは、報告者に「女=先輩」であることがバレたと感じたから。その理由は「練習お疲れ様です」と後輩が敬語込めて自然に言ったから。
しかし、そのことは疑いすぎだと女が考え、すぐに女が表情を戻し、「(報告者のいないところで女の時に)ずっと使ってた」と言った。(内心取り乱していたのかもしれないが)
とはいえ、これ以上女としても男としても先輩が大学に出没していたら、いずれ男装趣味or女装趣味or本当の性別は女、ということが周囲にバレ、そしていずれ自身がいじめられるのが怖いから、消えたんでしょ。
すごい妄想力だな。
じゃあ最終バスに女性(先輩)が乗っていなかった理由や先輩の家の脅迫状の事も教えてくれよ。
そ れ だ ! ! !
逆にこちらから質問で返すが、本文のどこに「最終バスに女が乗っていなかった」と書いてあるんだ?私が見落としているのか?第一、報告者が最終バスに乗ったとも明言されていない。
それから、先輩の脅迫状のくだりだけど、それはあくまでも先輩からの話の伝聞であって、報告者が実際に目で見て確認したわけじゃないでしょ。真実かどうか不明。
あとロクスポ推敲してないでupしたのが悪かったが、「私のお気に入りの部屋」「ずっとこの部屋を私が使ってた」のくだりは、報告者が正体を感づいているかどうか確かめるため、女がカマかけたかと。
ちょっと何言ってるか分からないです
横からだけど、※6の設定に“決まっている”といったニュアンスはおかしいけど、
少なくともオカルトとかよりはあってもおかしくない話だろ。
・最終バスに先輩が乗ってなかったのはまた顔を合わしたらバレるかもしれないと思ったから。
・脅迫状は先輩の狂言。
確かに、サイコパスや幽霊が出てくるよりは現実味のある設定だな。
とはいえ報告にない仮定や状況の綱渡りが多い気がするから、
ここから更に報告者や関係者に詳しい話でも聞いて女装癖の情報でも引き出さない限り無理がある感じだな。
それができない限りこの話はやっぱりサイコパスや幽霊の話ということなんだろう。
でしょうね。
自分の書いた内容ですが、※6みたいな態度の書き込みばかりだと、それはそれでオカルトスレの大半がクソスレ化しかねませんね。
あと他人貶すの好きじゃないですが、現代文力を始めとして、「知性の大きな乖離は対話が成立しない」という立場です。※7とか※10みたいな輩に付ける薬はこちらは有してないですね。自分でオツム良くしてくれと、私は祈るしかない。
そうだねプロテインだね
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